【飫肥(おび)の歴史的建造物が大きく生まれ変わります!】

小村寿太郎生家など以前は指定管理制度で管理運営していました市所有の歴史的建造物(飫肥地区)について、民間で改修込み(民間投資)で利活用してもらう事業者を、今年の春から募集をしておりました。
そしてこの度、選考会の結果、利活用してもらう民間事業者が決定し、9月8日(火)に記者発表しました。
NHKで昨夜、ニュースとして報道されています。
(他の民放でもニュースとして以前に放送していただきました。)
決定した事業者は、以下の2つです。
● JR九州
● 共同事業体おびむすび隊JV(㈱狼煙・JAL(日本航空)・㈱奄美設計集団)
今年4月から公募を開始し、公開プレゼンテーションで審査した結果、5施設で利活用が決定しました。
(JR九州が1施設、おびむすび隊JVが4施設。)
今後、2年間のうちに施設の改修などが行われ、事業が開始されます。
なお、建物の歴史的価値を損なわないよう、厳しい規制を設け、専門家にも見ていただきながら、改修していただきます。
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そして、ここからが本題です。
この政策を打とうと考えた背景からその効果、目指すところを説明します。
歴史的建造物は老朽化が進み、莫大な修繕・維持管理費がかかり、それが市有財産であるために市の財政に大きな負担がのしかかります。
入館者数も年々減少し、運営は赤字になり、すべての施設の改修は財政的にも困難でした。
(飫肥の観光客は実感としても減っているわけではありません。近年も大きく賑わっていました。しかし、歴史資料館や歴史的建造物に入館料を払う観光客が減ったというのが正確な表現です。)
そこで、民間に建物の修繕・維持管理費を負担してもらい、なおかつ、今後、家賃収入も得るという、いわば逆転の発想の管理方法を打ち出しました。
通常の行政が行う市有施設の管理は、「直営(市が改修も管理も直接行う)」か「指定管理」です。
指定管理制度は、”民間活力活用”ということにはなっていますが、改修等のハードは行政が予算を受け持ち、運営だけを民間にしてもらうものです。
しかし、飫肥の指定管理の実態は、管理にかかる経費(指定管理料)を全て市が予算化していましたので、仮に指定管理料を下回る収入(「収入」とは飫肥の由緒施設の場合は入館料収入)となっても、指定管理を受ける民間団体の経営には問題はなく、行政がそのマイナス分を受け持つことになります。
(上記が全ての指定管理制度に当てはまるわけではありません。いわゆる“0円指定管理”を受けている民間事業者もあり、その場合は、行政から管理に係る経費(指定管理料)をもらっておらず、自主自立で努力されているパターンもあります。)
それを、全く逆転の発想で、改修も管理運営も民間側にやってもらい、それどころか賃貸で貸し出しますので家賃収入を行政(市役所)側はもらう内容となっています。
(ただし、今回は最初の5年間は実質免除です。)
そして、飫肥の建物が、旅館や飲食店、ギャラリーなどに改修されれば、市の財政負担を抑えながら歴史的建造物の維持管理が可能となり、観光地としての魅力も向上し観光客増加も見込めると考えました。
上述のNHKニュースの中でも、『一石二鳥の効果』と取り上げてくださっています。
すでに、市の財政負担ゼロで、今年4月にオープンした旧小鹿倉家の民間利活用例もあります。
これが一気に、飫肥の町に面として広がりました!
これから、飫肥の町は、大きく魅力溢れる町に生まれ変わると確信しています。
行政の政策手法としても、全国にあまり例がないと思います。
次世代の担う日南市の子どもたちの為にも、持続可能な管理の仕組みを作り、そして同時に魅力向上に繋げていくチャレンジを確たるものにしていきたいと思います。